金属サイディングは表面が0.27㎜の鋼板で、心材に断熱材が使われております。
当社が主に使用しているのはKMEWの金属サイディングで、断熱材が16㎜で表面の皮膜が遮熱性フッ素焼き付け塗装と遮熱・高耐候ポリエステル塗装の2種類があります。
金属には熱くなりやすく冷たくなりやすいイメージがありますが、金属サイディングは断熱材が一体型になっており他の外壁材と比較すると断熱効果が優れています。
下の画像は外壁材の熱伝導率の比較です。
数値が低いほど断熱性能が高く熱が伝わりにくいです。
1枚目16㎜金属サイディング 2枚目12㎜窯業系サイディング
1枚目16㎜金属サイディング(表面の鋼板以外は断熱材) 2枚目12㎜窯業系サイディング
窯業系サイディングには表面上に釘打ちのタイプがありますが、金属サイディングは本体同士の重ね部分の外部から見えなくなる部分にビス打ちで固定するので、経年劣化による釘抜け、釘浮きがありません。
1枚目 金属サイディングの表面 2枚目 金属サイディングの釘打ち(重ね)部分 3枚目 表面上に釘を打つタイプの窯業系サイディング(釘抜け・浮きが起きている状態)
金属サイディングの出隅は水の抜け道となるベース材とカバーがあります。
当社が仕様しているKMEW金属サイディングはカバー本体に水密パッキンが加工されているので、外壁材本体との取り合いにコーキングの必要が無く、表面上に釘打ちもしないので見た目もすっきり施工出来ます。
窯業系のサイディングは専用部材に差し込むタイプと、同じ材質で出隅専用の形になっているものがあります。外壁材本体との取り合いはコーキングのみの仕様になっている場合が多いので劣化してくるとコーキングの打ち換えが必要になります。
1.2枚目 出隅ベース 3枚目 出隅カバー表面 4枚目 出隅カバー裏側
1枚目 金属サイディングの出隅 2枚目 窯業系サイディングの出隅
金属サイディング1枚の長さは特注品を除いて3030㎜又は3788㎜の品があります。
端から端まで1枚の長さ以上の場合は本体同士の端部にジョイントの部材が入ります。
当社が使用しているKMEW金属サイディングは出隅材と同様にベース材とカバーがあります。
こちらの部材も出隅と同じく水密材が本体加工されているので、取り合いにコーキング無しで施工しています。
窯業系サイディングの場合は基本的に本体の長さが3Mでジョイントの部分はコーキングでの仕上がりの場合が多いです。
1.2枚目ジョイナーベース 3枚目 ジョイナーカバー表面 4枚目 ジョイナーカバー裏側
1枚目 金属サイディングのジョイント部分 2枚目 窯業系サイディングのジョイント(コーキング劣化で外壁材に食いついていない・外壁材が反ってきて釘も浮いている状態)
金属サイディングは表面が鉄板なので、落雪があっても穴が空いたりヒビが入ることはありませんが外部から強い力が働くと凹んでしまうことがあります。凹んだくらいでは防水面では心配ありませんが、サイディング同士の重ね部分が外れてしまったり開口部や出隅の役物材が破損してしまうと漏水や外壁下地への影響があります。
窯業系サイディングの場合は外部から強い力があると、ひび割れや完全に陥没してしまうことがあります。
落雪で外壁材が破損しやすいのは地上側が多いです。
1枚目 窯業系サイディングが落雪で陥没 2枚目 経年劣化で窯業系サイディングの表面に亀裂 3枚目 経年劣化で窯業系サイディングの出隅に亀裂
落雪で金属サイディングが凹んでしまった状態
1枚目 落雪で破損しやすい地上側のみ合板24㎜で下地を強化して長尺板金で施工(上段は金属サイディング) 2枚目 雪が落ちる軒先面のみ合板24㎜で下地を強化して長尺板金で施工